動いていたら『0:100』は難しいって本当?
「動いていたら両方に過失が出てくる」
よく聞きませんか?このフレーズ。
これは半分本当で半分嘘です。
動いていても過失が0になるケースもあれば、停止しているのに過失が出る事故もあります。
では早速ご紹介。
動いていても『0:100』になるケース
信号無視
赤信号で交差点に進入した車と、青信号で進入した車が衝突したことを双方認めた場合、赤信号の車は問答無用で100%の過失、となります。
ただし、お互いが青信号を主張していて譲らない場合は真実が明らかにならない限り『0:100』にはなりません。
ドライブレコーダーや目撃者の証言などが証拠で出て来ればよいのですが、証拠がないとどちらかが泣き寝入りになってしまいます。
追突事故
交差点手前で低速で走行している車に後続車が追突、というケースは双方動いていても『0:100』です。
ただし追突された車が「わざとブレーキを踏んだ場合」や「駐停車禁止の場所の場合」には、追突された車にも1割から3割程度の過失が出てきます。
センターラインオーバー
センターラインを越えて反対車線の車と衝突した場合は基本的には『0:100』です。
脇道やお店に入るためにセンターラインを越えた場合は、センターラインオーバー『0:100』は適用されず『10:90』や『20:80』が適用されます。
停止しているのに『0:100』にならないケース
それは直前停止。
直前停止とは何か、というとぶつかる直前で停止することです。
「危ない!」と思ってブレーキを踏んで停止したけどぶつかっちゃった、という場合は「停止」とは言いません。
駐車場内の事故でありがちなのですが、
「バックしてくるのが見えたから慌ててブレーキを踏んで止まったのに、そのままぶつけられました」
という状況では止まっていたとは認められず過失が発生してしまいます。
最低でも10秒程度は止まっていなければ、「停止」とは認められません。
10秒は厳しいですね。。。
厳密に10秒というわけではなく、9秒や8秒でも認められる事もあるわ。
でも危ないっと思ってブレーキを踏んでぶつかった場合って、ほとんどが直前停止のケースが多いわ。
確かに10秒あればクラクション鳴らすなりして、事前に防げますよね。
他に『0:100』になりそうなのは・・・
あっ、そういえば相手が『飲酒運転』だった場合は『0:100』になるんじゃないですか?
良い所に気づいたわね。
実はね・・・
相手が飲酒運転の場合は相手が100%悪い?
飲酒運転は厳罰化が進み昔ほどは見られなくなりましたが、それでも飲酒運転をしている人はゼロにはなりません。
示談交渉の現場でも、月1回は飲酒運転をしていた方の事故を担当します。
では事故の時、飲酒運転はどう扱われるのか、を詳しくご説明しますね。
相手が飲酒運転=『0:100』?
答えはNOです。
飲酒運転をしているからといって、問答無用で100%の過失が問われる訳ではありません。
飲酒運転をした場合、過失割合はプラスされますが、プラスされる割合は決まっています。
酒酔い運転なら20%、酒気帯び運転なら10%という風に、警察にどちらで判断されたか、によりプラスされる割合が変わります。
過失交渉における、酒気帯び運転とは、道路交通法上の基準(血中アルコール濃度が0,15mg以上)は関係なく、お酒を飲んだ状態で運転することです。
酒酔い運転は、事故現場で警察官が「明らかに酔っ払っていて正常な運転ができない」と判断した場合に適用されます。
具体的には、会話やまっすぐ歩けるか、などで判断をします。
だから、相手が飲酒運転をしていたからといって、自動的に『0:100』になることはありません。
Aさん60:Bさん40という事故で、Bさんが酒気帯び運転をしていた場合に、Bさん側が10%加算されて50%になることはあっても、『0:100』にはならないのです。
飲酒運転は慰謝料増額?
この答えもNOです。
まず、怪我をしていない、車だけが壊れた事故では慰謝料は一切支払われません。
飲酒運転をしていようとしていなかろうと、慰謝料が支払われることはありません。
そして、怪我をしている場合ですが慰謝料は治療期間や通院日数に応じて計算されます。
加害者が飲酒運転をしていたからといって、慰謝料が増額することは100%ありません。
えっ! 飲酒運転ってそんな扱いなんですか!?
ニュースとかで『飲酒運転の厳罰化』とか言ってませんでしたっけ?
それは「刑事」の話で、今話をしている過失割合は「民事」の話になるの。
そうなんですかー。
全然知らなかったな。
でも「民事」でも過失を重くしてほしいな。
私もそう思うわ。
でも現状はこういう状況なの。
だからフラフラしている車とかには近づかないとか、自分から事故に遭わないように気をつけましょう。
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