駐車車両を避けようとした自転車と事故になった場合、過失割合はどうなるの?

今回は、狭い街中の道で起こりやすい事故状況です。

停止している車や工事現場などを避けようとした自転車と、後ろから来た車がぶつかってしまった場合の過失割合についてご紹介します。

駐車車両を避けようとした自転車と自動車がぶつかった場合の過失割合

事故状況はこちらです。

停止している車がいたので自転車が避けたところ、後方からきた自動車と接触してしまいました。

過失割合は『自転車が10%、自動車が90%』です。

修正要素

自転車にプラス10%

  • 合図なし

自転車にプラス5%から10%

  • 自転車の著しい過失、重過失

自動車にプラス10%

  • 自転車が児童、高齢者
  • 自動車の著しい過失

自動車にプラス20%

  • 自動車の重過失

 
 
自転車の過失はたった10%です。

ただし、こちらが適用されるのは自転車が前を走っていた時だけ。

前を走っていた自転車も駐車車両も、自動車からは簡単に把握できますので、自動車の過失が大きくなっています。

個人的に気になる修正要素は、「自転車の合図なし」です。

小学校の交通安全教室で自転車の手信号を習いましたが、あの手信号をやっている人を見たことがありません。

皆さんは見たことがありますか?

停止車両を避けた石原さんと小栗さんの事故

駐車車両を避けようとした自転車と事故

石原さん(仮名)は自転車で走行中、停止していた車を避けたところ、後ろからやってきた小栗さん(仮名)の自動車にぶつかってしまいました。

小栗さんは低速で追い抜こうとしていたため、ちょっとぶつかっただけで済みました。

石原さんの怪我は擦りむいただけ、という軽傷です。

石原さんの自転車が壊れ、小栗さんの車も少し傷がついたのでお互いに過失割合に応じて修理代を負担しなければなりません。

基本の過失は『石原(自転車)さんが10%、小栗さん(自動車)が90%』です。

そこに石原さんの「合図なし」修正が10%加わり、『石原さんが20%、小栗さんが80%』になります。

この過失割合を双方に伝えたところ、二人とも「え、合図って本当にやんなきゃいけないの?生まれてこのかた見たことないんだけど」と笑っていました。

私も、ついついつられて笑ってしまいました。

石原さんの怪我も軽傷でお互いの修理代もそれぞれ1万円以下だったこともあり、終始和やかなムードでの過失交渉でした。

結局、過失が小さい石原さんが「示談書とか面倒だし、お互いそのままでいいんじゃないですか?」といって「自損自弁」での解決になりました。

まとめ

石原さんと小栗さんはこのように和やかなムードで交渉をすることができましたが、怪我が重症だとこういうわけにはいきません。

皆さんも狭い街中を走る時は、駐車車両などを避ける自転車に気をつけて運転しましょうね。

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