優先道路を走行中にバイクと事故、過失割合はどうなるの?
優先道路を走っていたらバイクが脇道から出てきた場合、過失割合はどうなるのでしょうか?
自動車相手よりも不利になると思いますか?
早速見てみましょう。
優先道路を走行中にバイクと接触
事故状況はこちらです。
自動車が優先道路を走っていたところ脇道から出てきたバイクと接触しました。
(優先道路の定義はこちら『優先道路を走っている場合は、過失「0」なんでしょ?』を参考にしてください)
基本割合は「Aバイク70:B自動車30」です。
意外とバイク側の過失が大きいですよね。
ただし、このバイクの過失割合はバイクが怪我をしていることが前提なので、バイクが怪我をしていない場合は通常の自動車同士の過失割合「90:10」になります。
実際のところ、バイクに乗っていて転倒して無傷、ということはほとんどないので、ほぼこちらの過失割合を適用します。
修正要素はこちらです。
Aにプラス10%
Aの著しい過失
Aにプラス20%
Aの重過失
Bにプラス10%
Bの著しい過失
Bにプラス20%
- Bの重過失
- Aの明らかな先入
修正要素の中で分かりづらいのが、「Aの明らかな先入」です。
これはバイクが先に交差点に入っていることが明らかに分かり、Bが避ける余地があった場合に適用されるのですが、実際のところ適用されているのは見たことがありません。
二人乗りバイクで事故
さてお次は私が担当した案件です。
私の契約者はスクーターに乗っていたAさんです。
Aさんは優先道路に入る際に、左右確認がおろそかになり、右側から来たBさんの自動車と接触してしまいました。
私「今回担当させていただきます、結城と申します。宜しくお願いします。早速ですがA様、お怪我はありませんでしたか?」
Aさん「はい。同乗者は大丈夫だったんですが、私が捻挫してしまったみたいでこれから病院に向かいます」
私「そうでございましたか。それでは人身傷害保険で対応させていただきますね。あれ?さっき同乗者とおっしゃいましたか?」
Aさん「はい。彼女を乗せていたんです」
私「A様は50CCのスクーター(原付自転車)のご契約で、スクーターにお乗りになっていたと伺っていますが二人乗りされていたのでしょうか?」
50CCの原付自転車は二人乗りが禁止されています。
Aさん「ごめんなさい。そうなんです。彼女を駅まで送る途中だったんです。これって過失割合、不利になりますか?」
私「そうですね。パワーがないスクーターで二人乗りをしていた、となると修正をせざるをえないかもしれません」
Aさん「わかりました。しょうがないですね」
修正要素の著しい過失や重過失には「二人乗り」は明記されていません。
しかし、馬力の少ないスクーターで二人乗りをしていた、となるとバランスも取りづらく、急ブレーキやハンドル操作が難しくなり、事故の原因とみなされても反論はできないと思います。
私は10%の修正が妥当であると考えました。
結局、相手も二人乗りによる10%の修正を申し入れてきましたので、「Aバイク80:B自動車20」で解決しました。
バイクの二人乗りが禁止されている50CCスクーターや免許を取得してから1年未満の方が、二人乗りをして事故を起こした場合、過失割合が修正される可能性がありますので、気をつけましょうね。
スポンサー広告
SNS紹介
ブログを読んで頂きありがとうございます。
『Twitter』や『Facebook』では、ブログで書ききれなかった事や
ブログの更新情報をつぶやいています。
フォローしてくれたら嬉しいです!