ウィンカーを消し忘れている車と衝突した場合、過失割合はどうなるの?

ウィンカー消し忘れの事故

今回はこちらの事故状況の過失割合についてお話しします。

みなさんはどちらの過失が大きいと思いますか?

過去の判例

判例タイムズ(過去の判例集)では道路幅同じで一時停止等の標識もないT字路の事故の基本割合は「Aさん70:Bさん30」です。

しかしBさんに「重過失」があれば「20%加算」され、「著しい過失」があれば「10%加算」されます。

そこで「重過失」はどういう場合に適用されるのかを確認してみましょう。

判例タイムズによると『酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転、概ね時速30キロ以上の速度違反、過労や病気や薬物などの影響による正常な運転ができない恐れがある場合』とされています。

重過失「運転者本人が自分を失っているような状態」で運転したときに適用されると言えますよね。

今回の「ウィンカー消し忘れ」は、これに該当するとは言えません。

では「著しい過失」は、というと『脇見運転等著しい前方不注視、著しいハンドルブレーキ操作不適切、携帯電話を通話のため使用したり画像を注視したりしながら運転すること、酒気帯び運転』と規定されています。

ハンドルブレーキ操作不適切とは言えませんが、ウィンカーの消し忘れは「操作ミス」、ということでこちらのほうがしっくりときます。

そのため今回のケースでは「著しい過失」が適用され「10%加算」し、「Aさん60:Bさん40」となります。

確かに、Bさんがウィンカーを消し忘れたのはよろしくありませんが、Aさんはウィンカーが出ていたからといって、発進してはいけませんでした。

Bさんが停止するまで動くべきではありません。

Aさんは「ウィンカーが出ているからこっちに曲がるかもしれない」と思って行動するのではなく、「ウィンカーは出ているけど、この先の家や商店に用があるから出しているかもしれない」と考えて運転しなければならないのです。

私は過去3回ほどこの状況を担当しましたがどれも「60:40」で解決しました。

3件ともAさんの立場の方は納得がいかない、と中々示談をしてくれませんでした。

気持ちはわかりますが、「直進車が優先の原則」は、ちょっとやそっとのことでひっくり返すことができないので、Aさんの思うような過失割合にはならないのです。

最終的には時間をかけてお話をし、ご理解いただけましたが最後までもやもやしてらっしゃいました。


スポンサー広告

サイト案内

SNS紹介

こんにちわ!結城 泉です。
ブログを読んで頂きありがとうございます。
『Twitter』や『Facebook』では、ブログで書ききれなかった事や
ブログの更新情報をつぶやいています。
フォローしてくれたら嬉しいです!

TOPへ戻る