車道を横断してきた歩行者と事故に遭った場合、過失割合はどうなるの?
いきなり車道を横断してくる歩行者に、冷や汗が出たことはありませんか?
私は、お年寄りが突然車道に出てきて、急ブレーキを踏んだことがあります。
それ以降、歩行者がいたら大袈裟と思われるぐらい大きく避けるようになりました。
ではそんな状況で事故を起こしたら過失割合はどうなるのか、早速見てみましょう。
車道を横断してきた歩行者と接触
事故状況はこちらです。
車道を横断している歩行者と自動車が接触しました。
基本割合は『歩行者が20%、自動車が80%』です。
車道とは言え、歩行者に有利な過失割合ですね。
修正要素
歩行者にプラス5%
- 夜間の事故
歩行者にプラス5%から10%
- 横断禁止の規制あり
歩行者にプラス10%
- 幹線道路での事故
- 直前直後横断
- 立ち止まる・後退
自動車にプラス5%
- 住宅街、商店街での事故
- 歩行者が児童や高齢者
- 歩道、車道の区別なし
自動車にプラス10%
- 歩行者が幼児、身体障害者
- 歩行者が集団横断
- 自動車の著しい過失
自動車にプラス20%
- 自動車の著しい過失
歩行者との事故は、修正要素もかなり歩行者寄りに設定されています。
車道とはいえ歩行者がいることは簡単に発見できますし、歩行者が歩いている時は「車道に飛び出してくるかもしれない」と注意しながら運転すれば、事故を回避することができます。
上記の中でよく適用される修正要素は、幹線道路や住宅街といった道路の立地に起因するもの、児童や高齢者、幼児といった歩行者の年齢に起因するものです。
車道をいきなり横断し始めたおばあちゃんの事故
事故状況はこちらです。
歩行者は、82歳の小木さん(仮名)というおばあちゃんでした。
車を運転していたのは夏目さん(仮名)という女性です。
事故現場は、この地方で一番車通りの多い幹線道路でした。
とはいうものの、事故時間は夜の12時で、車通りはまばらで、人通りも皆無です。
そんな状況で、夏目さんが時速50キロ程度で走行していたところ、急に小木さんが道端から飛び出してきたのです。
夏目さんはすぐにブレーキを踏みましたが間に合わず、小木さんと接触。
小木さんは、大腿骨骨折の大怪我を負ってしまいました。
夏目さんには、幸いなことに怪我はありませんでした。
判例タイムズ(事故の判例集)によると、基本の割合は『小木さんが20%、夏目さんが80%』です。
ここに修正要素が加わります。
まずは「夜間の事故で小木さんにプラス5%」、「幹線道路の事故なので小木さんにプラス10%」、さらに「直前の横断なので小木さんにプラス10%」です。
しかし、「小木さんは高齢者なので夏目さんにプラス5%」。
総合すると、「小木さんが40%、夏目さんが60%」と言うことになります。
計算上はこうなりますが、歩行者との接触事故の場合、歩行者側は中々過失を認めようとしません。
私も人身担当者も、ドキドキしながら過失割合の申し入れをしました。
8割以上の確率で「あなたにも過失があります」というと、被害者さんはご立腹なさるのですが、小木さんは逆でした。
「私がちゃんと見ないで飛び出しちゃったのが悪いんだから、それでいいですよ」とおっしゃったのです。
これには人身担当者も私も拍子抜けしました。
結局「小木さん40%、夏目さん60%」で物損、人身ともに示談をすることができました。
まとめ
車道を歩行者が飛び出してきても、自動車の過失割合の方が少なくなることはほとんどありません。
上記の小木さんはレアケースで、ほとんどは基本過失、もしくはもっと自動車に不利な過失で示談をすることがほとんどです。
人が歩いていたら、しっかりと避けて通り抜けてくださいね。
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