弁護士費用特約を実際に使ってみたケース

弁護士費用特約が有利に働くケース

弁護士特約が有利になるケース

「交通事故に遭った時、弁護士費用特約は役に立つの?」でも説明しましたが、下記に当てはまる場合は弁護士費用特約を使用すると示談交渉が有利になることが多いです。

  • もらい事故(過失が0)場合
  • 怪我を負った場合
  • 相手の保険会社から治療費の打ち切りを迫られている
  • 正当な理由があるのに過失割合を修正してもらえない場合
  • 相手が無保険(無保険車)だった場合

もらい事故(過失が0)で、怪我を負った場合

もらい事故のよくある事故形態は下記のようなものです。

  • 信号待ちをしていたら、後ろから追突された
  • 信号無視をした車に衝突された
  • センターラインオーバーしてきた車と衝突した

上記のような もらい事故のケースでは、多くの場合、過失割合が「あなた0:相手100」となります。

その上、怪我をしてしまい、相手の対人賠償責任保険で対応してもらっている場合、弁護士に代理人を依頼すると、受け取ることができる慰謝料の金額が大幅にアップする可能性があります。

弁護士は、自賠責保険や任意保険の慰謝料計算方法よりもより高額な「弁護士基準(裁判基準)」で、慰謝料を算出します。

案件ごとに異なりますが、任意保険基準と比較すると3倍から10倍の差がでることもあります。

私が担当した案件ですと下記のようなものがありました。

事故状況

追突事故

契約者の高橋さん(仮名)は信号待ちで停止中、松さん(仮名)に追突されてしまいました。

松さんは居眠りをしていたようで、ほぼノーブレーキで高橋さんの車に突っ込み、高橋さんの車は修理代が100万円を超え、松さんの車は全損でした。

それだけでも事故の衝撃の大きさが分かりますよね。

事故直後、高橋さんは目立った外傷もなく、とても元気でした。

しかし事故から数時間経過した頃、首の痛みと吐き気を覚えて急遽病院にかかることになったのです。

事故直後は何の自覚症状がなくても、数時間後に急に痛くなるという被害者さんはかなり多い印象があります。

診断内容は「頚椎捻挫」、俗に言う「ムチウチ症」です。

私の経験上、追突事故の被害者さんは50%以上が頚椎捻挫と診断されて通院します。

高橋さんは追突された被害者側だったので、私の保険会社では人身傷害保険の差額をお支払いするだけで、ほかにお支払いする保険金はありませんでした。

ただ、高橋さんの保険には、弁護士特約が付いていました。

そのため、ご挨拶をした時に「もし相手からしっかりと賠償されなかったり、交渉で悩んだりしたら弁護士特約が付いているので私にご連絡ください」と伝えてありました。

こう伝えてあっても、ほとんどの契約者さんは弁護士特約を使うことなく示談されます。

しかし、高橋さんは違いました。

事故から半年経過した頃、しょんぼりした声の高橋さんから電話がかかってきたのです。

高橋さん「実は、相手側が後遺障害を認めてくれず困っているんです」

高橋さんほどの大事故であれば、頚椎捻挫といえども後遺障害が認定されてもおかしくありません。

「それは辛いですね。レントゲンやCTなどで頚椎に異常が残っていますか?どんな症状がありますか?」

高橋さん「レントゲンなどでは特に大きな異常はないんです。けれど下を向くと首が痛いから、仕事で字を書くのが苦痛なんですよ。手も痺れることがありますし、常に頭が痛いし。おかげで仕事も休みがちになって、このままでは転勤させられてしまうかもしれません」

「それは本当にお辛いですね。相手の担当者はなんて言ってるんですか?」

高橋さん「それが、僕を仮病扱いするんです。

『後遺障害なんて、レントゲンで異常が認められなければ認定されませんが、それでもいいんですね。一応認定されるかどうか出してみますけど、こんな言いがかりみたいな後遺障害は無理でしょうね』

と言ったので、怒りで震えました。こんなに痛いのに、僕のことを保険金をむしり取る当たり屋みたいに扱うなんて」

「そんな、その態度はひどすぎます。きちんとその担当者の上司や本社にクレームを入れたほうがいいですよ」

高橋さん「僕もそう思ったんですけど、自賠責の事務所ってところに事前認定をしてもらうまでは、怒らせないほうがいいと思って我慢してたんです。そしたら事前認定も非該当って言われて・・・」

「そうだったんですか!大変でしたね、けれどもう大丈夫です。高橋さんは弁護士特約に入っているので、あとは弁護士の先生にお任せして、高橋さんは治療に専念しましょう」

 
酷い話ですよね。

大事故の被害者さんを仮病扱いして、症状が残っているのに後遺障害に該当しないと決めつけるのは、「悪い担当者」のお手本のようです。

確かに、レントゲンなどの画像による「他覚所見」がないと、後遺障害の認定を受けることができない場合もあります。

しかし、高橋さんのようにはっきりとした症状があれば認定されるケースもあります。

私は自分の上司や同僚に聞いてみたところ、口を揃えて「そこまではっきりとした症状が残っているので後遺障害が認定されても良さそうなのに」と言いました。

その後、高橋さんは交通事故に強い弁護士先生を探しすべての交渉を一任、やっと肩の荷を降ろすことができました。

弁護士の先生に依頼してから2ヶ月後、高橋さんは後遺障害非該当を覆し、13級を取得したそうです。

慰謝料なども弁護士基準になったので、最初の提示よりも大幅に増額しました。

「お金をもらっても元の体に戻ることはできませんが、自分の痛みや苦しみをやっと認めてもらえたんだと思うと嬉しいです」

そうおっしゃっていた高橋さんの、嬉しさと悲しさが混ざった声を今でも覚えています。

正当な理由があって過失割合の修正を求めている場合

過失割合の交渉において、重要なのは過失割合を修正する「証拠」です。

例えばドライブレコーダーに相手が携帯電話を利用している映像が残っていた、といった具体的な証拠があれば自分に有利な過失割合にすることができます。

しかし、それが事実であっても修正を聞き入れない相手もいます。

そんなときも、弁護士費用特約が役に立ちます。

客観的に見て修正できる「証拠」があるのであれば、弁護士はそれを武器に相手と交渉してくれます。

私が担当した案件ですと下記のようなものがありました。

事故状況

私が担当したのは今田さん(仮名)です。
今田さん(B)は信号のない十字路の交差点を直進していたところ、左側から走ってきた松本さん(A)と接触しました。

一時停止無視(車)

松本さん側(A)には「一時停止」の標識がありましたが、それを無視して交差点に進入してきたため、松本さん側(A)が過失が重くなり、過失割合は『今田さん(B)が20%、松本さん(A)が80%』となります。

(参考:一時停止を無視した相手と事故、過失割合はどうなるの?

ところが、今田さんの車にはドライブレコーダーが搭載されていて、事故状況を確認すると、松本さんが明らかにスピードオーバーで交差点に入っていました。

アジャスターさん(車の専門家)に計算してもらうと時速50キロは出ていたとのこと。
現場の制限速度は30キロだったので、松本さんは速度超過により10%の過失割合を上乗せすることになります。

『今田さん(A)10%、松本さん(B)90%』です。

ところが、松本さんは自分の過失は80%だと言って聞かないのです。
松本さんの保険会社の担当者も松本さんの肩を持つばかりで、まったく聞く耳を持ちません。

「あの、今回の件はドライブレコーダーを見ても分かる通り、松本さんは確実に速度超過してますよね?著しい過失で10%修正してもらえますか?」

松本さんの担当者「はあ、言いたいことは分かりますけど松本さんは認めてませんから無理です」

「だって映像見ればわかるでしょ? そっちのアジャスターさんに計算してもらったらどうですか?」

松本さんの担当者「うちのアジャスターに見せたら、推測はできるけど確実じゃないからそんなの修正要素にならないって言ってます」

「おかしいですよ。ドライブレコーダーの映像すら修正要素にならないんだったら、何を基に修正するんですか? 事故の時の映像ですよ。これより強い証拠なんてないと思うんですけど」

松本さんの担当者「無理なものは無理です」

「松本さんに客観的に見て修正が妥当であるって、お話ししてもらえませんか?」

松本さんの担当者「無理です。松本さんも私たち保険会社としても、このドライブレコーダーの映像での修正は不可だと考えます」

「え?そうなんですね。御社として修正できないっていうんですね。わかりました。また対応を検討してご連絡します」

弁護士に依頼してスピード解決

私の中でぶちっと何かが切れました。

ドライブレコーダーで明らかに速度超過していることが分かるのに「保険会社として」修正を認めない、と言ったのです。
すぐに今田さんの保険に弁護士費用特約が付いていることを確認して、今田さんに電話しました。

「今田様、相手の松本さん、速度超過を認めようとしないばかりか、保険会社まで一緒になって修正を拒否しています。ありえません。こうなったら弁護士費用特約を使って戦いましょう!」

今田さん「そうですね!そんなひどいこというなら徹底的に戦います!」

こうして、この案件は弁護士の先生に依頼することにしました。

その後、弁護士先生はドライブレコーダーの映像を元に交渉をしてくれて、着任から3日で10%修正を勝ち取りました。

そのスピード解決にびっくりです。
できれば先生の交渉術を隣で聞きたかったです。

今田さんも、あまりの早さに拍子抜けするほどです。
後日、相手の担当者に弁護士先生の交渉について聞いてみたところ「なんていうか、理論武装が完璧すぎてぐぅの音も出なかった。松本さんも弁護士が電話をしてきたっていうだけで、怯えちゃって10%ぐらい修正してもいいって手のひらを返した」と言っていました。

もし正当な理由があるのに相手が認めない状況なら、まずは「交通事故に強い弁護士の無料相談」をしてみて下さい。

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