受け取った保険金に税金はかかってくるの?
消費税に所得税、住民税に自動車税、など私たちはうんざりするほど税金を支払っていますよね。
では自動車保険の保険金は?
年末調整しなければいけないの?
それとも税金が差し引かれて支払われるの?
今回はそんな疑問にお答えしますね。
完全非課税の保険金
まずは絶対に税金がかからないものをご紹介します。
税金は「利益」に対してかけられるので、保険金のうち「利益」に該当しないものは非課税となります。
車両保険
車両保険から受け取る保険金といえば、修理代や全損保険金ですが、これらの保険金は契約者さんにとっての利益ではありませんよね。
(全損については「交通事故で車が全損扱いになった場合に、もらえるお金のまとめ」をご覧ください。)
本来持っていたものを補償したものなので非課税です。
対物賠償責任保険
誰かにぶつけられてしまい、加害者の対物賠償責任保険から修理代や代車費用、などを受け取った場合も非課税です。
自分の車やものを元に戻すために必要なお金なので利益ではなく税金はかかりません。
対人賠償責任保険、人身傷害保険
対人賠償責任保険や、死亡事故以外の人身傷害保険で受け取る保険金は全額非課税です。
治療費、休業損害補償、慰謝料、後遺障害の慰謝料、通院交通費など、高額の賠償金であっても税金はかかりません。
搭乗者傷害保険
通院1日1万円や通院5日で10万円といったタイプの搭乗者傷害保険から受け取る保険金も非課税です。
税金がかかる保険金
被害者さんが死亡した場合に、遺族が受け取る「賠償金」以外の保険金には税金がかかります。
死亡した場合に保険金が支払われる保険の種類はこちらです。
「人身傷害保険」、「搭乗者傷害保険」、「自損事故保険」
どれも死亡保険金のみが課税対象です。
(人身傷害保険は、相手の過失分は非課税となります)
「誰が保険料を支払っていたのか」によってかかる税金の種類が異なります。
では、何の税金がかかるのかをパターン別に見てみましょう。
死亡した被害者が保険料を支払っていた場合
「配偶者」や「子供」などの遺族が保険金を受け取る場合は相続税の対象となります。
<例>
Aさんが交通事故で死亡
Aさんが保険料を支払っていた自動車保険の人身傷害保険と搭乗者傷害保険から死亡保険金が支払われ、妻が受け取る
⇒ 相続税がかかる
保険金の受取人が保険料を支払っていた場合
保険金を受け取る人が保険料を支払っていた場合は所得税の対象となります。
<例>
Aさんが交通事故で死亡
Aさんの妻が保険料を支払っていた自動車保険の、人身傷害保険と搭乗者傷害保険から死亡保険金が支払われ、妻が保険金を受け取る
⇒ 所得税がかかる
第3者が保険料を支払っている場合
会社や友達の車で事故に遭い死亡して、その自動車保険から保険金が支払われ、妻や子供が保険金を受け取った場合は贈与税の対象となります。
<例>
Aさんが友達の車で事故に遭い死亡
友達が保険料を支払っていた自動車保険から保険金が支払われ、妻が受け取る
⇒ 贈与税がかかる
このように、人身障害保険や搭乗者傷害保険といった「自分自身にかける保険」から死亡保険金が支払われると税金がかかります。
これらの税金は保険金が支払われる時に差し引かれるのではなく、自分で確定申告をして納入しなければなりません。
死亡保険金を受け取った時の確定申告
人身傷害保険や搭乗者傷害保険から死亡保険金を受け取った場合は確定申告をしなければなりません。
確定申告とは、毎年1月から3月の間に税務署や市役所などで、1年間の総収入と経費などを申告し、支払う税金を確定させる手続きです。
自営業をしている人は毎年欠かさず行っています。
サラリーマンや公務員などの給与所得者は確定申告ではなく「年末調整」という形でこの手続きを行ってるのでピンと来ない人が多いでしょう。
しかし、死亡保険金を受け取ったり、給与以外に20万円以上の所得があった場合、相続をした場合などはサラリーマンでも確定申告をしなければなりません。
保険金の申告は年末調整では行うことはできませんので注意が必要です。
確定申告の必要書類
確定申告する場合、確定申告書(ウェブでダウンロードできます)、年収がわかる書類(源泉徴収票)と保険金の支払い計算書、それから通常の確定申告に必要書類(医療費控除が適用される場合は医療費の支払い明細等、生命保険料控除証明書、地震保険料控除証明書、年金保険料控除証明書、自営業の場合は各種経費のレシートなど)が必要になります。
これらの書類を用意してインターネット、もしくは最寄りの税務署で手続きをしましょう。
まとめ
少し難しいお話になりましたね。
要するに「対人以外で死亡保険金を受け取る場合は要注意」ということです。
それ以外の保険金には税金がかかりませんので、ご安心ください。
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