ペットが交通事故にあった場合、人間と同じく慰謝料はもらえるの?
ペット≠人間 ペットの賠償は対物賠償責任保険から
人間が怪我をした場合、治療費に加え慰謝料や休業損害など様々な賠償金が支払われます。
しかしペットは人間ではないので、支払われる賠償金の種類も額もかなり低くなります。
交通事故の損害賠償においてペットは、「物」として扱われるのです。
だから「対物賠償責任保険」で対応します。
ということは、ペットにも時価額の概念が適用されるのです。
時価額とは事故時の市場価格です。
車の場合は、新車購入時の時価額が高く段々と低くなっていきます。
最終的には新車価格の10%や、それ以下まで下がります。
ではペットの場合は?というとペットも同じで、基本的には購入時(子犬や子猫)が一番高額で、年を取るとともに時価額が低くなります。
ペットショップでも生まれて月日が浅い子犬子猫は高額ですが、半年程度経過してしまった動物たちは割引販売されていますよね。
ペットの治療費が時価額を超えてしまったら?
ここで生まれる疑問が「全損」です。
時価額よりも治療費が超えてしまうと、車でいう「全損」状態となります。
(全損についての詳細は『慰謝料と賠償金って何が違うの?』をご覧ください。)
命を持たない車でも全損になると悲しいのに、家族同然に暮らしてきたペットが全損だなんて言われたら絶対に納得できないですよね。
原則、ペットにもこの時価額の概念が適用されますので、事故時の時価額が5万円で治療費が10万円、となった場合は全損とみなされ時価額の5万円しか支払わないことになります。
しかし、実際の示談の現場はそれほど血も涙もないわけではありません。
ペットに命があれば、時価額を上限などと杓子定規なことは言わず治療費を支払ってあげることがほとんどです。
ペットが死亡したら?慰謝料は?
残念ながらペットが死亡してしまった場合は、基本的に支払われるのは時価額のみです。
死亡する前に治療を行った場合は、その治療費も支払われます。
慰謝料は支払われません。
ペットはものなので、慰謝料は発生しないと考えられています。
しかし、裁判になった例ではごくたまに飼い主への慰謝料が認められているケースもあります。
ほとんどの場合が数万円です。
ペットの過失割合
お散歩をしているペットをはねてしまった、という場合、ペットにも過失割合が発生することが多いです。
ペットの事故はペットに対する過失割合が想像以上に大きく認定されます。
逃げ出したペットと車が接触した場合の過失割合
犬がリードを振り切って飼い主から逃げ出し車と衝突した場合、犬の過失割合が『100%』となります。
そうなると治療費が支払われないどころか、車の修理代を全額負担しなければなりません。
ペットに引きずられて車道に出てしまった飼い主と車が接触した場合の過失割合
大型犬を散歩している最中に車道に引きずり出されてしまい、自動車と飼い主が接触した事故では、ペットと飼い主側に35%の過失が発生した、という判例もあります。
通常であれば、歩行者の過失割合はほとんど発生しないところですが、ペットに引っ張られていることによりかなり加算されています。
犬用シートベルトをしていなかった場合の過失割合
トラックに追突された車に乗っていた犬が、シートベルトをしていなかったために犬側に1割の過失割合が発生するという判例があります。
この事故では、乗用車に家族同様に可愛がっていたラブラドールレトリバーが事故のせいで後遺障害を負ってしまい、生涯車椅子生活となりました。
飼い主は治療費や慰謝料として総額990万5706円 を求めて裁判を起こしましたが、一審で186万324円、2審で532,850円のみの認定となりました。
シートベルトをしていなかったというだけで、本来であれば0%の過失であるはずの追突事故に10%の過失が発生してしまったのです。
まとめ
ペットは大切な家族の一員ですが、交通事故においてはものとして扱われます。
治療費は全額支払われることが多いですが、死亡した場合は時価額を限度として賠償金が支払われ、慰謝料が支払われることは稀です。
さらに、ペットが車に傷をつけてしまった場合は修理代を負担しなければならないこともあります。
そのため散歩の際はリードを離さないようにしっかり握り、交通が激しい場所は避けましょう。
最近、「ペット保険」っていうのを聞きますけど、ペット保険に入っていたらどうなるんですか?
ペットのせいで車が壊れてしまい、過失割合に応じて賠償してもらう必要があるケースでは、ペット保険会社と自動車保険会社が交渉するの。
ただし、ペット保険にペットの賠償責任保険が付いていて示談交渉付きの場合のみになるわ。
もし示談交渉付きではなかったら、飼い主自らと自動車保険会社の交渉になるわね。
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