ハザードを点灯させずに駐車していて追突された場合、過失割合はどうなるの?
道路脇に自動車を止める時、ハザードをつけていますか?
場合によっては、ハザードをつけていなければ追突された時に過失割合が生じるかもしれません。
今回は、道路脇にハザードを点けずに停止していた場合の過失割合をご紹介しますね。
道路脇に停止中の車に追突、基本は「100:0」
事故状況はこちらです。
道路脇に停止していたBになんの落ち度もなかった場合の過失割合は「A100:B0」で、追突した側に全面的な非があります。
しかし、Bに何らかの落ち度があった場合、若干過失割合は修正されます。
Bに10%の加算
- 視認不良(見通しがきかない道に停止していた)場合
- 駐停車禁止場所だった場合
Bに10%~20%の加算
- しっかりと端に寄せていなかった場合
- 夜なのにハザードを点灯させていなかった場合
だから「ハザードを点灯させずに停止していた場合」10%から20%修正されて「A90:B10」や「A80:B20」になる可能性もあります。
ハザードを点灯しなくても、後続車両から止まっていることがはっきりわかる場合はハザード点灯していなかったからといって過失が発生するとは限りません。
私は路上停止中の自動車に後続車が接触した事故を何件か解決したことがありますが、昼間の場合はハザードをつけていなかっただけでは修正しませんでした。
新人時代に「判例タイムズにハザードをつけていなかったら修正って書いてあるから修正するんじゃないんですか?」と先輩アジャスター(車の専門家)に聞いてみたところ「昼間なんて見通しよけりゃハザードがあろうとなかろうと止まってることが分かるだろ。無人駐車中の車はハザードついてないけど誰もぶつからないだろ?」と言われ納得したのを覚えています。
夜間にハザードを点灯していなかった事故の過失割合
私が担当した案件でも、夜間にハザードを点灯させていない停止車両と走行中の車が接触する事故がありました。
深夜2時、Bさんは車の外で自動車を道路脇に寄せて電話をしていました。
知人から電話がかかってきたため、タバコを吸いがてら外に出たそうです。
事故現場は田んぼや畑が広がる田園地帯で夜間は街灯も少なく、闇が広がっています。
ハザードは点灯させずエンジンを切っていました。
そこにAさんの自動車がBさんに気付くのが遅れ、衝突してしまいました。
Bさんの自動車が衝突した衝撃で、Bさんの自動車が動き、外で通話していたBさんにぶつかって、Bさんは転倒しました。
損害は、Bさんの自動車の修理代が80万円、Bさんの怪我は手足の打撲で全治2週間、Aさんの自動車の修理代は90万円です。
この事故の基本割合はAさん100、Bさん0です。
しかし今回Bさんは深夜、街灯がない道にハザードを点灯させずに駐車していましたので過失0という訳にはいきません。
私は街灯がない夜間の事故ということで「視認不良」という修正要素を適用し「10%」、さらに「ハザードを点灯させていなかった」ということで「20%」、「合計30%」の過失があると判断しました。
ハザードをつけていなかった場合の修正要素は10%から20%と幅がもたせてありますが、Bさんに20%を適用したのは、ハザードがなければ後続車に停止中であることを前もってわかってもらうのが難しい現場だったからです。
カエルの声しか聞こえないような田園地帯なので、完全に消灯された車は闇に溶け込んでしまいます。
この事故は「Aさん70:Bさん30」で解決しました。
Bさんはぶつぶつ言っていましたが、警察の現場検証でもハザードをつけていなかったことを厳重注意されたみたいで、思ったよりも抵抗なく過失割合を受け入れていただけました。
みなさんも路上に駐停車するとき、特に夜間はハザードを点灯させて後続車に分かるようにしておきましょうね。
もし、故障や事故で動けない状態になったら非常発火装置などを使って、道を塞いでいることを後続車に伝えてあげましょう。
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