お店に入ろうと右折して事故に遭った場合、過失割合はどうなるの?

前回は「お店から道路に出ようとして事故に遭った場合、過失割合はどうなるの?」でしたが、今度はお店に入る際の事故です。

また、私の苦手な右折ですね。。

この事故形態も毎日のように発生しています。

早速過失割合を見てみましょう。

過失割合

事故状況はこちらです。

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Aが道路を直進中に、お店に入ろうとしたBと接触しました。

基本の過失割合は『Aが10%、Bが90%』です。

修正要素

Aにプラス10%から20%

  • Aがゼブラゾーン走行

Aにプラス10%

  • Bが既右折
  • Aが15キロ以上その速度違反
  • Aの著しい過失

Aにプラス20%

  • Aの30キロ以上の速度違反
  • Aの重過失

Bにプラス5%

  • Aが幹線道路の走行(片側2車線以上ある道路や、交通量が多いその地域の主要道路です)

Bにプラス10%

  • Bの徐行なし
  • Bの合図なし
  • Bの著しい過失

Bにプラス20%

  • Bの重過失

この事故状況でもよく適用されるのは、「幹線道路修正」です。

幹線道路修正は、事故状況に左右されない道路状況による修正なので自動的に適用できます。

合図なしでお店に右折!過失割合は?

堺さん(仮名)と岡田さん(仮名)の事故です。

堺さんが幹線道路ではない道路を直線中、対向車線を走っていた岡田さんがウィンカーを出さずに右折してお店に入ろうとしました。

右直事故

基本の過失割合は「堺さん(A)が10%、岡田さん(B)は90%」です。

判例タイムズ(事故の判例集)では、岡田さんがウィンカーを出していないことで10%の修正が可能です。

もし適用できれば堺さんが0%、岡田さんが100%になります。

しかし、実際に解決する時は「0:100」になることはほとんどないと思います。

少なくとも私が住んでいる地域の保険会社は「修正要素を適用して0:100になったとしてもそれは0:100じゃない」というスタンスだったので、修正要素が適用されても5%です。

だから堺さんと岡田さんの事故も「堺さんが5%、岡田さんが95%」で解決しました。

「おかしいじゃない?判例タイムズに修正要素として書いてあるんだから、そのまま適用すべきでしょ?」と思いますよね。

私もそう思います。

「修正要素があっても0:100にはならない派」の人たちはこのように主張します。

「岡田さんがウィンカーを出さなかったのは事実だが、堺さんもしっかりと前方を注意していれば、右折しようとしている岡田さんの挙動がわかったはず。だから過失が0%にはならない」

確かにその通りなのですが、それならばなぜ判例タイムズにこの修正要素が書かれているのか、と疑問に思います。

お客様達は判例タイムズを持っていませんし保険会社も、お客様から求められなければ写しを送ることはしません。

だから、どんな修正要素があるのか、そして何%修正できるかを知らずにいる方が多いのです。

堺さんも岡田さんがウィンカーなしで右折してきたから5%修正して解決する、とお伝えすると安心しておられましたが、本当は10%修正すべき事故です。

自分で解決しておきながら、モヤモヤとした気分が残る示談内容でした。

もし、修正要素を適用したら「0:100」になる事故の当事者になったら、一度は保険会社に「どうして0%にならないのか」納得のできる回答を求めることをおすすめします。

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