『治療費で困っているなら、早く示談を成立させましょう』と言われたら?
交通事故で怪我をしてしまい被害者になってしまった上に、こんなことを担当者から言われたら困ってしまいますよね。
仕事を休んでいるので収入が途絶えて生活が苦しくなった、治療費が支払われなくて生活費を圧迫している、という状態に追い込まれた被害者さんは、「示談しなければ賠償金を受け取ることができないのであれば示談します」と承諾しかねません。
怪我が治っていればよいのですが、本当は痛いのに我慢して示談してしまうこともあるでしょう。
しかし、そこで示談をしてはいけません。
本来は「示談が完了しなければ賠償金を受け取ることができない」というのが原則ですが、実務上は示談前でも容易に受け取ることができる賠償金があります。
これを「内払い」と言います。
担当者にお願いすれば問題なく受け入れてもらえるはずですので、治療費に困ることもありません。
ここでは示談前に賠償金を受け取る方法をご紹介しますね。
治療費は直接病院に支払ってもらう
そもそも、実務上はどの保険会社も治療費や入院費用の内払いを行っています。
だから入院費用に困ることは原則ないはずなのです。
「私は治療費を毎回自己負担しています」という人は、内払いをしてくれない理由を保険会社に質問してみてください。
被害者さんに問題がなければスムーズに入院費用を病院に支払ってくれるはずです。
ただし、この内払い制度は任意保険会社がサービスで行っているもの。本来は示談後に全て支払うものなので、急にストップしても法的に問題はありません。
ただ、被害者さんに問題行動などがない場合は、ほぼ内払いしてもらえるはずですのでご安心ください。
休業損害の内払い
「今月のお給料はいつ振り込まれますか?」
こんな質問を被害者さんから保険会社の担当者が受けることがあります。
「保険会社がお給料?」と不思議に思うかもしれませんが、実はこれ、休業損害の内払いのことなのです。
事故の怪我により仕事に行くことができなくなった場合、有給休暇を消化していようと、無給の休暇であろうと休業損害が支払われます。
こちらも原則としては示談後に支払われるものなのですが、実務上は毎月支払います。
事故のせいで収入が途絶えてしまい、生活が立ち行かなくなったら大変ですよね。
休業損害の内払いも快く応じてもらえますので、ご安心ください。
休業損害を請求するためには、勤務先から賃金支払い台帳や出勤状況が確認できる書類を提出してもらう必要があります。
書類の書き方や提出する書類の種類が分からない場合は担当者に質問してみましょう。
担当者が会社の直接連絡をして打ち合わせをしてくれるはずです。
慰謝料の内払い
こちらは、今までの内払いとは異なり、簡単に受け取ることはできません。
よっぽど特殊な事情があれば内払いをしてくれる可能性はゼロではありませんが、レアケースです。
保険会社としては、慰謝料は示談の切り札なのです。
被害者さんに「◯◯万円受け取ってもらうことができるから示談しませんか?」というふうに示談を持ちかける時の大切なカードなのです。
だから、治療費や休業損害とは違い簡単に内払いしてもらえないのです。
そもそも、治療費と休業損害の内払いを受け取っていれば、それほど入院費用に困ることはないと思われます。
まとめ
事故の被害者になり怪我をしてしまった場合、入院期間・通院期間は治療費の自己負担が発生することはほとんどありません。
保険会社が治療費や休業損害などは内払いという形で、示談前に支払ってくれるからです。
保険会社が内払いをしてくれないようなら、内払いをしてもらうようにお願いしてみましょう。
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