自動車保険の特約ってどんなものがあるの?

自動車保険には様々な特約があります。

いろいろな特約を組み合わせることで自動車事故以外のリスクにも対応することができるので、特約の種類を知って自分に合った自動車保険を組み立てましょう。

こちらでご紹介する特約の名前や内容は、保険会社によって少しずつ違いますのでご了承ください。

自分の車に関する特約

新車特約

新車登録からおおむね『3年以内』の自動車に付けられる特約です。

全損(市場価格よりも修理代が上回った場合)、もしくは車両保険金額の50%以上の損害を受けた場合、自分が設定した金額の範囲内であれば新車購入費用が支払われます。

全損については『交通事故で車が全損になった場合に、請求できる保険金のまとめ』をご覧ください。)

本体価格以外にも登録諸費用や税金も支払い対象です。

私が担当したお客さんも、この特約で新車に買い換えた方が少なくなかったです。

車両保険が200万円、新車特約250万円のコンパクトカーに乗っていらしたAさんは、新車に乗り換えてから1ヶ月でセンターラインオーバーの事故を起こしてしまい新車は大破してしまいました。

フロント部分が潰れてしまい修理不能の状態です。

幸いなことにお怪我はありませんでしたが、せっかくの新車は二度と乗ることはできません。

しかし、新車特約に加入していたのでもう一度同じ車を注文し、1ヶ月後には再び新車に乗ることができました。

個人的には、新車を購入した人にはぜひおすすめしたい特約です。

車両全損時修理特約

自分の車が全損になった時、車両保険金額にプラス50万円までは修理代を支払うという特約です。

車両保険 100万円 修理代130万円、となった場合、その差額30万円をこの特約で支払うことができます。

長年愛着を持ってお車に乗っておられる方におすすめしたい特約です。

私の担当したお客様でこの特約を付けられている方は、皆さん綺麗に大切に乗り続けているタイプの方でした。

代車特約

車が事故や故障で修理が必要になった時に、代車を借りるための費用を補償してくれる特約です。

「事故のみ補償するタイプ」「事故と故障を補償するタイプ」がありますので、ご自分の加入されている保険会社の約款や保険証券を確認してみてください。

どちらも「1ヶ月」「2週間」というように期間が限定されています。

代車は修理工場が貸してくれる代車だけではなく、レンタカーでも大丈夫です。

契約する時に1日あたりの金額を設定するので、その金額の範囲内であれば借りる車種に縛りはありません。

とあるお客さんは「事故をした時ぐらいいい車に乗りたいのよ」とおっしゃり、いつもは軽自動車に乗っているのに代車特約は10,000円という高額の設定でした。

(ちなみに軽自動車はレンタカーを借りても地方では4000円弱です)

そして事故を起こした時はクラウンやレクサスといった高級車にお乗りになられます。

事故を起こした時ぐらいセレブ気分を味合うんだとおっしゃっていました。

中にはこうやって代車特約を楽しむ方もいらっしゃいます。

ただ、示談担当者的には代車特約は保険料節約派にはおすすめできない特約です。

なぜならば保険会社に「修理工場を紹介してほしい」と言えば代車が完全無料の修理工場を紹介してもらえるからです。

「絶対に同じ車じゃなければ運転できない」という方以外は無理をして入る必要はない気がします。

車両搬送費用特約

事故や故障などで車が自動不可の状態になった時に搬送するための費用を補償する特約です。

事故地から最寄りの修理工場まで運んだり、自分の指定工場まで運んだりする費用が支払われます。

今は無料のロードサービスが充実しているので、わざわざ費用を追加してまでつける必要がある特約ではありません。

保険会社によっては条件を満たせば自動的に無料で付いてくることもあります。

車両無過失特約

これは自分に過失が全くない事故(0:100の事故)の場合に車両保険を使っても等級
に影響がない「ノーカウント事故」扱いにすることができる特約です。

自動車保険は、保険請求をすると等級が3つ下がった上に、「事故有り等級」という割高な料金体系に3年間移行します。

簡単に言うと「保険料が高くなる」のです。

自分に非がある場合はしょうがないと思えても、全く非がないもらい事故の場合には簡単には割り切れませんよね。

そこでこの特約が重宝されています。

追突事故センターライン事故信号無視などの被害事故に遭い、相手の車のナンバーと相手の氏名などが分かっていれば(当て逃げ事故には適用されません)、保険を使っても等級に影響がありません。

あれ?

自分に過失がなければ相手が全額払ってくれますよね?

だとすると、この特約って意味なくないですか?

その通り!

でもね、相手から全額補償されないケースがあるの。

代表的な例を紹介するわね。

相手が無保険の場合

事故の加害者が任意保険に未加入の場合、その方が自己負担で賠償すべきなのですが、多くの場合、修理代を支払ってくれません。

私が担当した案件の中で、無保険の加害者さんが全額修理代を支払ってくれたのは5年間で1件だけでした。

他の担当者に聞いても、無保険の加害者さんは修理代を簡単には支払いません。

そういう場合でも、車両無過失特約を使って車両保険で修理すれば自分の保険料が高くなることなく、車を元通りにすることができます。

保険会社は車両保険で支払った後にお相手に請求します。

一筋縄でいかない場合は専門の部署が法的手段を交えながら回収します。

相手から補償されているけど自分の車が全損になった場合

後ろから追突されて車が大破、修理代が150万円かかるという事故の被害に遭った場合、自分の車の時価額が150万円以上であれば相手から全額賠償されますが、150万円未満だった場合は、「全損扱い」となり修理代は時価額までしか支払われません。

修理代 150万円 < 時価額 160万円
⇒ 分損修理可能

修理代 150万円 > 時価額 100万円
⇒ 全損修理不能

通常、全損となった場合は時価額までしか賠償されませんが、『自分の車両保険金額』が『時価額』よりも高い場合は車両保険で修理できる可能性があります。

先ほどの例に当てはめてみましょう。

修理代 150万円 > 時価額 100万円 < 車両保険金額180万円
⇒ 相手から見れば全損修理不能、だけど車両保険から見れば分損修理可能

この場合は、相手から受け取ることができた100万円と修理費150万円の差額、50万円が車両保険から支払われます。

しかし、自分の車両保険から見ても全損になってしまう場合もあります。

例えば下記のように『時価額』と『車両保険金額』が同じ場合です。

修理代150万円 > 時価額100万円 = 車両保険金額100万円

この場合、車両保険からは「全損保険金」全損臨時費用全損諸費用と呼ばれることもあります)が支払われます。

多くの場合車両保険金額の10%ですので、10万円支払われることになります。

これらのケースは決してレアケースではなく、示談担当者からすれば日常茶飯事と言っていいほどよくある事故です。

無過失特約は有料の特約という保険会社もあれば、無料で自動的にセットされる保険会社もあります。

自分の保険会社が有料の特約という扱いの場合も、保険料はそれほど高額ではありませんので加入することをおすすめします。

地震噴火津波危険車両全損時一時金特約

実は車両保険では地震や噴火、津波で被害を受けても保険金は支払われません。

それをカバーするのがこの特約です。

地震や噴火、津波で被害を受けて全損になった場合、もしくは行方不明になった場合50万円を定額で支払います。

車両保険金額が50万円未満の場合は、その金額を支払います。

私が働いている時にこの特約に加入していた契約は1つも見たことはありませんが、地震リスクが高い地域では多くの人が加入しているようです。

荷物特約

保険会社によって財物担保特約と言ったり、積載動産特約と言ったりしますので、分かりやすく荷物特約にしておきます。

これは車の中に載せていた荷物が事故により壊れてしまった時に、一定額を上限に補償される特約です。

30万円が上限という会社が多いようです。

私が担当した案件では、パソコンや花瓶、洋服やCDなどが破損し、保険金をお支払いしました。

ペット搭乗中担保特約

ペットが交通事故に遭い、自動車内で怪我をしたり、亡くなってしまったりした時に支払われる特約です。

代表的なペット搭乗中担保特約では、怪我の治療費やお葬式代、などを10万円を限度に支払います。

ただし、運転者や同乗者が怪我をしている時に限ります。

事故に遭い、人間は無事だったけどペットだけ怪我をしてしまった、というケースでは支払われませんのでご注意ください。

ペットと旅に出かけることが多い人は加入しておくといいかもしれませんね。

オールリスク免責ゼロ特約

これは、車両保険の免責金額(自己負担額)を1回目に限りゼロにする特約です。

通販系の自動車保険では、車両保険の免責金額がデフォルトで「5万円」「車対車免責ゼロ」(相手が車に限り免責が0)に設定されていることが多いと思います。

それを、どんな形態の事故でも免責金額は0にするというのがこの特約です。

個人的には、車両保険に入るのであればオールリスク免責0特約に入ったほうが良いと思います。

せっかく車両保険に入っているのに自己負担があるなんて嫌ですから。

自分の怪我に関する特約

こちらは人身傷害とセットにしてつけることができる特約です。

人身傷害入院時諸費用特約

保険会社によって入院時アシスト特約と言ったり、諸費用特約と言ったり、ケアサポート特約と言ったりします。

どの特約も入院した時の雑費を補償するという特約です。

差額ベッド代家政婦費用子供の家庭教師費用ペットホテル代などが実費で支払われます。

保険会社によって日額2万から3万円が支払われるようです。

実際のところ入院した場合、人身傷害保険から慰謝料が支払われるので、諸費用特約を付けなくても慰謝料の範囲内でまかなえるケースが多いです。

しかし、お子さんやペットが沢山いてケアに費用がかかってしまう、近所に頼れる人がいない、という場合は加入しておくと安心かもしれません。

自分のライフスタイルに合わせて加入の是非を考えるとよいですね。

死亡、後遺傷害保険金定額払い特約

これは、死亡や後遺傷害などの状態になった場合、契約した保険金額が定額で支払われる特約です。

通常は人身傷害保険を5000万円で契約していて死亡した場合、支払われる保険金は死亡した人の収入や年齢によってまちまちとなり、満額の5000万円が支払われない可能性も十分にあります。

しかし、この特約を付けていれば、死亡した段階で人身傷害の契約金額満額が支払われることが確定です。

後遺傷害の場合は等級に応じて「人身傷害の契約金額 × 〇〇%」となります。

(後遺障害については『後遺障害って何?』をご覧ください。)

残された家族は、すぐに受け取ることができる保険金額がわかるので安心できますね。

入通院日額払い特約

通常、人身傷害保険では入院や通院にかかった治療費や交通費の実費が支払われます。

この特約は、それにプラスして「契約時に設定した金額」 × 「入通院日数」が支払われます。(保険会社によっては搭乗者傷害保険に分類されています)

入院10,000円、通院5,000円に設定した場合、入院日数に10,000円、通院日数に5,000円をかけた金額が治療費や慰謝料とは別に支払われるのです。

私が見てきたお客様の中にはこれだけで50万円以上受け取っておられる方もいらっしゃいました。

ただし、保険料はかなり割高なので個人的にはおすすめしない特約の一つです。

人身傷害本体から支払われる慰謝料や休業損害でも十分な補償だと思います。

慰謝料休業損害については『慰謝料と賠償金って何が違うの?』をご覧ください。)

形成手術費用担保特約

事故で傷跡が残った場合の形成手術費用を支払ってくれる特約です。

人身傷害保険や搭乗者傷害保険とセットでつけることができます。

事故から1年以内に手術を行うと10万円を限度に保険金が支払われます。

重度後遺障害特約

保険会社が定める重い後遺障害を負った場合に、人身傷害保険の金額の「2倍」を支払ってくれる特約です。

保険会社によっては自宅をバリアフリー化する費用も支払われます。

医療保険金特約

搭乗者傷害保険の保険金を「2倍」支払うという特約です。

倍払い特約」という言い方をする保険会社もあります。

搭乗者傷害保険では、怪我の場所や症状によって支払われる保険金が決まっています。

例えば、「頚椎捻挫で5日以上の通院、入院をしたら一律5万円」という感じです。

それを倍額支払ってくれる特約なのです。

人身傷害保険に加入していれば治療費だけではなく慰謝料や休業損害も支払われますので、わざわざこの特約をつけなくても十分な補償を受けることができますが、搭乗者傷害保険のみという方はつけておいたほうがいいかもしれません。

相手の車や怪我に関する特約

事故の相手方への賠償を手厚くするタイプの特約をご紹介します。

相手全損超過修理費用特約

お相手の車が「全損」になってしまった場合に、時価額プラス50万円を修理代として支払う特約です。

修理前提の特約なので修理完了したことを確認してから支払うことになります。

示談担当者的にも、事故の被害者さん的にも是非とも加入しておいてもらいたい特約です。

これがあるだけでスムーズに解決する事故が沢山あるのです。

詳しくは『示談担当者も入っている。入っておいた方が良い「自動車保険の特約ベスト3」』をご覧ください。

対歩行者等事故傷害補償保険特約

これは契約者さんというよりも、被害者さんを保護する特約です。

歩行者を自動車ではねてしまった場合、歩行者にも過失割合が発生することがあります。

歩行者に過失割合が発生する=歩行者に治療費などの自己負担が発生する、ということです。

そうなると、被害者さんは納得できませんよね。

被害を受けたのに治療費の自己負担が出るとなると、保険に請求できない分は加害者さんに請求しようとします。

それを防ぐのがこの特約です。

この特約があれば被害者さんは自己負担なく治療に専念できますし、加害者さんも被害者さんから金銭の要求を受けることがありません

当然ながら私たち示談担当者の仕事もスムーズになります。

保険会社によってはすべての対人賠償責任保険に自動的に付帯します。

保険料を安くする特約

家族内記名運転者限定特約

これは一部の通販系損保のみに存在する特約です。

家族限定よりもさらに運転者を限定することで保険料が割安になります。

通常の家族限定であれば本人、配偶者、同居の親族、別居の未婚の子供などが運転することができますがこの特約は「契約時に申告した家族だけ」運転することができます。

メインドライバー特約

こちらはメインで運転する人を1人指定することで保険料が5%程度割引される特約です。

その人以外が運転して事故を起こした場合は契約時に設定した「免責金額」という自己負担が発生します。

3万円や5万円が多いようです。

「この軽トラックはおじいちゃんがメインで使うけど、ごくごくたまにおばあちゃんも運転するんだよ」というように、ほぼ1人しか運転しないけど他の家族が運転する確率もゼロではない、というケースで適用するとお得ですね。

かなりの頻度で他の家族が使う場合はつけないほうが良いでしょう。

人身傷害保険の搭乗中のみ補償特約

人身傷害保険の支払い対象を狭めることで保険料が割安になる特約です。

保険会社の中にはデフォルトの人身傷害保険が「搭乗中のみ」という場合もあります。

この特約はその名の通り、人身傷害保険は「契約自動車に乗っている時に怪我をした場合に限り」支払われるものです。

歩いていて自動車にはねられた、自転車でこけた、他の自動車に乗っている時に怪我をした、という場合は支払い対象外になります。

法人向けの特約

休車費用特約

事故によって車を使うことができない期間の休車費用を定額で支払う特約です。

代わりの車を手配していようと、していなかろうと保険金が支払われます。

「代車特約と一緒じゃない?」と思うかもしれませんが、トラックやタクシーなどの営業ナンバー(通称緑ナンバー)は容易に代車を準備することができないので、代車特約では無意味なのです。

その点この特約があれば現金が支払われるので、営業損失の穴埋めをすることができます。

受託貨物賠償責任特約

運送業などを営んでいる法人向けの特約です。

「お客さんから依頼された運んでいた荷物が、追突事故を起こしてしまい破損した」場合などに適用されます。

法律的にお客さんに賠償義務が生じる事故のみ、支払い対象となります。

安全運転教育費用特約

勤務中に事故を起こすと「安全運転研修」を受けなければならない企業が少なくありません。

これはその研修や講習費用を1回あたり2万円を限度に支払う特約です。

従業員が勤務中に契約している車で、対人事故や対物事故を起こした時に適用されます。

事故後の安全運転講習が義務付けられている業界や会社の場合は入っておくと安心ですね。

リースカーの車両費用特約

社有車がリース車の場合、車両保険だけでは賄えない出費があります。

それを補償するのがこの特約です。

車両保険と同様、修理代が支払われると同時にリースの解約費用なども支払われます。

その他の特約

弁護士特約

「もらい事故」や「自分の過失はゼロであると考える事故」では、保険会社の示談担当者は交渉をすることができませんので、自分で交渉するか、弁護士等の専門家に依頼するの2択となります。

そんな時、弁護士特約があれば費用面の心配をすることなく交渉を進めることができます。

弁護士や司法書士といった法律の専門家に相談、依頼する費用が支払われます。

個人賠償責任特約

自動車による事故以外で、自分や同居の家族などが他人に損害を与えた場合に賠償費用や示談交渉費用を支払う特約です。

お子さんが自転車に乗っていて他人に怪我をさせてしまった、おじいちゃんが草刈機で石を弾いてしまい他人の車にぶつけてしまった、というようなケースで支払われます。

この他にも、お子さんが雑貨屋さんで食器を割ってしまった、という案件や野球の打球が隣家の窓ガラスを割ってしまった、という案件を担当したこともあります。

お子さんが小さい間は入っておくと安心ですね。

ただし、火災保険などで自動付帯されている場合もあるので加入する前に確認してみてください。

補償が2重になってしまう危険性があります。

それから、私的におすすめなのは「示談交渉サービス付き」の個人賠償責任特約です。

示談サービスがついていないと、相手との交渉を全て自分でやらなければならないのでお互いに何かと嫌な思いをすることが多いです。

もし共済などの示談サービスが付いていない個人賠償責任保険に加入しているのであれば、自動車保険の示談交渉サービス付き個人賠償責任保険への切り替えをおすすめします。

ファミリーバイク特約

これは契約者本人や配偶者、同居の家族、そして別居の未婚の子供が原動機付自転車に乗っている時に起こした事故について補償する特約です。

基本的には対人・対物と人身傷害保険が付いています。

人から借りている原動機付自転車でも補償されます。

よく見かけたのが、大学進学中のお子さんがスクーターに乗っている時に起こした事故です。

1家族に1つ、この特約がついていれば1台ずつスクーターに任意保険を付けなくてもよいのでお得ですよ。

車が複数台ある場合は補償が重複しないように気をつけてくださいね。

臨時運転者特約

お局示談担当者だったら、「懐かしい〜!」という特約です。

今はすべての保険会社で存在しないはずです。

この特約は「年齢条件が付いている契約でも、友人や知人が運転する場合は年齢条件を適用しないよ」という特約です。

例えば35歳以上限定が付いている自動車を20歳の知人が運転する場合、この特約がなければ20歳の知人は保険対象外ですが、この特約が付い
ていれば年齢条件を適用しないので、保険対象となるのです。

なぜなくなったかというと、今は「年齢条件の適用範囲が夫婦、子供、同居の親族」に限るからです。

つまり、35歳以上限定が付いていても、友人、知人は年齢条件を適用せず何歳でも運転できるという訳です。

ただし、家族限定が付いていたら友人や知人はそもそも補償対象外なので気をつけてくださいね。

等級プロテクト特約

こちらもお局示談担当者は「懐かしいわね〜」と昔話に花を咲かせたくなります。

2012年の自動車保険の等級制度改定により消え去ってしまった特約です。

その名の通り、事故を起こしても等級がダウンしない、というお客様にとってはありがたい特約でした。

1回目の事故であれば等級がダウンせず「据え置き」になります。

等級が低い若いドライバーさんに、親御さんがつけてあげることが多かったですね。

ただし保険料はかなり割高になります。

他車運転特約

自分の車、配偶者の車、子供の車、家族の車、仕事で使う会社の車、以外の車を運転する時に適用される特約です。

たまに運転する他人の車に自分の自動車保険を使うことができます。

例えば、「友達の車を運転する」とか「修理工場の代車に乗る」とか「レンタカーに乗る」時などに適用できます。

自分の車に車両保険をつけていれば借りた車にも車両保険がつきます(上限金額は借りた車の時価額になります)。

この特約はほとんどの保険会社で自動付帯と言って無料でつきますので、確認してみてくださいね。

おりても特約

これは画期的な特約だと思います。

なんと、車に乗っていない時の怪我、身の回り品、他人への賠償をセットで補償してくれるのです。

しかも同居の家族全ての。

例えばこんなケース。

「子供の野球の応援に行ったら、子供が特大ホームランを打ちました。ところがボールは民家のガラスに直撃・・。子供は打った衝撃で手首を捻挫。。それにびっくりした写真を撮っていたお父さんがカメラを落としてカメラが故障した」

こんなことがあっても「おりても特約」に入っていたら全て保険で補償されます。

子供の怪我の治療費(入通院に応じて定額が支払われます)も、割れてしまったガラスの賠償金も、壊れたカメラの修理代も支払われるのです。

一部の通販系の自動車保険につけることができます。

傷害保険に入っていないよ、という方、傷害保険の保険料が気になる方は加入しておくと安心ですね。

特にお子さんが小さい場合はかなり役に立つと思います。

子供運転危険追加担保特約

こちらは「子供がたまに運転する」場合につけるとお得になる特約です。

「35歳以上限定をつけていたけど、免許を取った子供がたまに運転するから21歳以上限定に変えなきゃ」という方に最適だと思います。

「35歳以上限定に、子供運転危険担保特約21歳以上」をつけることで、お子さんに限り21歳以上35歳未満でも保険の適用対象となるのです。

ただし、お子さんがメインで運転する車にはつけることができませんのでご注意ください。

いや~、自動車保険の特約っていっぱいあるんですね。

半分も知らなかったなぁ。

保険会社によっても色々あるからね。

でも、これで全部ってわけじゃないのよ。

もっと知りたいって方は、『プロしか知らないかも?自動車保険のマニアックな特約や『示談担当者も入っている。入っておいた方が良い「自動車保険の特約ベスト3」』をご覧下さい。

まだあるんだ。。

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