狭い道のすれ違いで接触事故を起こしたら、過失割合はどうなるの?

狭い道をすれ違うのってドキドキしますよね。

東日本では「すれ違い」と言いますが、関西より西(特に九州や四国)では「離合(りごう)」と言う事もあるそうです。

話はそれましたが、ここでは私が担当したすれ違いの事故をご紹介しますね。

すれ違い事故は基本50:50

狭い道路でのすれ違いの事故

狭い道でお互いが同じぐらいの速度で走行して接触した場合、過失割合は「50:50」になります。

もし、片方が中心によっていて、もう片方が路肩すれすれまで寄っていて接触すれば、その度合いによって「40:60」「30:70」になることもあります。

ケースバイケースで解決しますが、実務上は「50:50」もしくは「自損自弁(*)」で解決することが多いです。

(*)自損自弁とは、自分の修理代は自分で支払うけど相手の修理代は一切支払わない、という解決方法です。

お互いが0主張のすれ違い事故

この事故現場は、道幅が4メートルでお互いのミラーをたたまなければすれ違いは厳しい状態でした。

双方、ミラーを畳んでゆっくり進めばなんとかすれ違えるのですが、そうじゃなければ擦ってしまう、という道です。

そこを、私が担当したAさんも相手のBさんもミラーも畳まずにスピードを緩めることなく進んだのです。

お互いに「なんとかいけるだろう」と思ったそうです。

ところが、道幅は思いの外狭く接触してしまいました。

普通は「お互い悪かったよねえ」となるのですが、この当事者同士はお互いに「自分は悪くない!相手が止まればよかった!」の一点張りで事故現場でもかなり言い合いになったそうです。

案の定、1ヶ月たっても2ヶ月経っても「相手から全部支払ってもらう、最悪私の過失は1割」と言って解決できません。

客観的に見れば本当にお互い様です。

AさんもBさんも両方が注意しなければならない状況なので、どちらが優先だと主張することもできません。

この事故は示談担当者的には「50:50以外はありえない」事故状況です。

交渉する材料もありません。

Aさんの担当である私もBさんの保険会社も、お互いに交渉するというよりも、お互いの契約者たちをどうやって説得するか、を考えていました。

結局、お互いに割合を決めて解決するのは無理そうだったので「自損自弁」で解決しました。

どうしても自分の主張を通したいけど相手も譲歩せず、交渉の余地もない、今回のような事故の時に使います。

Aさん「もういい加減相手の人も諦めればいいのに。いつまでたっても解決しないじゃない。どうにかならないの?」

「そうですねえ。Aさん、いかがですか?もう相手に修理代を1割だって支払うのは嫌だと思うので、この際ご自分の修理代はご自分で支払って相手には一銭も支払わない、ということでいかがでしょうか?」

Aさん「えっ?相手からは何ももらえないってこと?」

「そうですね。相手からはもらえませんが、相手に支払わなくてもいいんです。A様のお車の修理代は35,000円、相手は45,000円なので、A様のほうが得をすることになりますよ。ずっと解決しないでもやもやしているよりも、ここですっきりしましょうよ」

Aさん「うーん。そうねえ。相手の修理代のほうが高いものね。じゃあそうしようかしら」

こうやってAさんを説得し、なんとかこの案件を終結することになりました。

AさんもBさんも もやもやしながらの示談です。

私もすっきりはしませんでした。

すれ違いの事故ってこうなることが多いんですよ。

だから狭い道を行き違う時は気をつけてくださいね。

「狭そう」と思ったら手前で止まって待つといいですよ。

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